にゃんこの食事
猫ちゃんのごはんは、栄養バランスを考えられて作られたキャットフードをあげるのが基本です。
キャットフードと一口に言っても、ドライやウェットなど種類がたくさんあったり、年齢別に変える必要があったりと、意外と悩みやすいものですよね。
そんな悩みをなくすべく、キャットフードの基本的な選び方をご紹介します。
キャットフードの種類
キャットフードには目的別に大きく分けて、主食となる総合栄養食、おかずとしての一般食、おやつやふりかけなどの間食、療法食の4つがあります。
毎日の食事としては、総合栄養食と水で十分です。
猫ちゃんは肉食動物なので、たんぱく質や脂質は欠かせません。総合栄養食は、鶏肉や牛肉などの肉類、サーモンや白身魚などの魚類を主な原材料に、成長段階に合わせて猫ちゃんに必要な栄養素がバランスよく配合されています。
一方、一般食やおやつは単体では栄養に偏りがあります。毎日の食事のトッピングやしつけのご褒美として、カロリーオーバーにならない程度に補助的にあげましょう。
療法食については、病気をした際の食事となるので、獣医さんの指導のもと選ぶのがベストです。
さらに、キャットフードは含まれる水分量によって、ドライ、ソフトドライ、セミモイスト、ウェットの4つに分けられます。
水分量によって保存方法や食感に違いが出てくるので、飼い主さんのライフスタイルや猫ちゃんの好みで選ぶといいでしょう。
ドライフード
含まれる水分が10%以下で、その名のとおり、乾燥しており、カリカリの食感のキャットフードです。カリカリなので、歯石がつきにくいというメリットもあります。また、水分が少ない分、カビや細菌も繁殖しにくく、日持ちもします。1食分ごとに小分けにしておくのがオススメです。
ソフトドライフード
25〜35%ほどの水分含有量で、加熱発泡処理をしたキャットフードを指します。ドライフードと形状は似ていますが、ドライフードよりも柔らかく、しっとり感が増して食べやすくなっています。水分量が多いため、長期保存には向いていません。
セミモイストフード
ソフトドライフードと同じく、水分含有量は25〜35%ほどですが、発泡していないキャットフードです。いわゆる半生タイプと呼ばれるものです。嗜好性が高く、柔らかい食感のため、歯やあごの力が弱くなった猫ちゃんにオススメです。ただ、保存が難しく、キャットフードにはほとんど見られないタイプで種類もあまりありません。
ウェットフード
75%ほどの水分量で、殺菌処理された後、缶詰やレトルトパウチなどに入れられます。開封後は日持ちしないので、食べ切らなければなりません。水分量が多いので、あまり水を飲まない猫ちゃんにオススメです。ただし、歯石がつきやすいので、歯磨きも忘れずにしてあげてください。
オーガニックキャットフードとは?
キャットフードの中にもオーガニックとうたわれているものがあります。
オーガニックのキャットフードは、農薬や化学肥料、遺伝子組み換え技術などを使わずに、自然の中で有機的に栽培された原材料で作られています。
やや価格は高めになりますが、ナチュラル志向への強いこだわりがあれば試してみてもいいですね。
キャットフードは年齢に合わせて変えていく
猫ちゃんも人間と同じように年を重ねるごとに体が変化していきます。
大まかには、生後12ヵ月ごろまでの子猫、1歳以上の成猫、7歳以上の老猫と3つのライフステージに分けられます。
それぞれのライフステージで必要な栄養素のバランスも変わってくるので、猫ちゃんの成長に合わせてキャットフードも切り替えていくようにしましょう。
切り替えは、新しいフードを少しずつ混ぜるなどして、様子を見ながら徐々に行っていきましょう。
ちなみに生後3~4週間(体重およそ400g)まではミルクで育てます。
子猫(~生後12ヵ月)の場合
子猫の成長は著しく、その変化に合わせて食事も変えていかなければなりません。生まれてから4週目ごろまでは子猫用ミルクを与え、生後1ヶ月を過ぎるころには子猫用の離乳食、乳歯が生え揃ってくる生後1ヵ月半から2ヵ月ごろには子猫用のキャットフードへと切り替えていきます。
また、生後6ヵ月前後には去勢・避妊手術が受けられるほどに成長します。手術後は太りやすくなるため、去勢・避妊手術後用のフードや、子猫用よりも低カロリーな成猫用のキャットフードに変えて肥満を予防しましょう。
成猫(1歳以上)の場合
猫ちゃんの体はおよそ1年でほぼできあがります。去勢・避妊手術をまだ受けていない場合は、1歳をめどに成猫用のキャットフードに切り替えます。その前に去勢・避妊手術を受けた場合は、手術後から成猫用キャットフードに切り替えましょう。主食は必ず栄養バランスが優れた総合栄養食の表示があるものにしましょう。
老猫(7歳以上)の場合
猫ちゃんの7歳は人間の年齢に換算すると44歳になります。少しずつ老化が始まってくる頃でもあります。老化を感じ始めたら、成猫用からシニア猫用フードに切り替えるタイミングです。猫ちゃんによって個体差はありますが、7歳から11歳ごろが適齢期。シニア猫用のフードは消化がよく、加齢によって不足しがちな栄養素を多く含みます。歯が悪くなってきている場合は、ドライフードをお湯でふやかしたり、やわらかいウェットフードを取り入れたりするなど、食べやすいように工夫してあげることも大切になってきます。
トラブルに合わせてキャットフードを選んでみる
キャットフードも猫ちゃんのお悩みに特化したものが売られています。
肥満が気になる場合はカロリーが低めでも栄養バランスのいいダイエット用のキャットフードにしたり、毛玉ケアをしてあげたい場合には食物繊維が多く毛の排出を促してくれる毛玉対策フードにしたりするなどです。
猫ちゃんが抱えるトラブルに合わせてキャットフードを切り替えるのも選択肢の1つです。
また、去勢・避妊手術後には、ホルモンバランスの変化によって基礎代謝が落ちて太りやすくなるため、去勢・避妊手術後用のフードを活用して、カロリーコントロールするのもいいでしょう。
病気中のごはんは獣医さんに相談
猫ちゃんには、尿石症や腎臓病など食事制限のある病気があります。
キャットフードには療法食という病気をしたとき用のものがありますが、病名がわかっていたとしても、これらのフードはかかりつけの獣医さんの指示に従ってあげるようにしましょう。動物病院によっては病気や症状にあったキャットフードを購入することができるところもあるので、まずは相談をするのが第一です。
にゃんこの食事で気を付けること
1日に与える回数や、分量など。ここでは、猫ちゃんにご飯をあげる時に気を付けることを紹介します。
すでに猫ちゃんを飼っている方は、ご飯のあげ方が自己流になっていないか、改めてチェックしてみてください。
にゃんこにご飯をあげるのは1日2~3回が目安
猫ちゃんの食事の回数や時間に決まりはありません。
もともと野生の肉食動物であったことを考えると、好きなときに食べるというのが本来の姿です。
1日あたりの食事の量が適量を超えていなければ何回に分けてもOKです。
とはいえ、飼い猫ちゃんの場合は、飼い主さんのライフスタイルに合わせて、朝と夜の2回、または朝昼晩の3回が一般的です。
にゃんこのご飯の分量
食事の分量はキャットフードのパッケージ裏などに指定されている分量に沿ってあげましょう。
猫ちゃんがよく食べるからといって多すぎると肥満の原因に、少なすぎてもカロリー不足や栄養不足になってしまいます。
また、実際に猫ちゃんが食べているときの食事の量も要チェックです。
ご飯の食べ残しがある場合は、キャットフードの変更や引っ越しといった環境の変化が原因かもしれません。
キャットフードの種類を元に戻したり、前の家に近い環境を作ってあげたりと、猫ちゃんのストレスが少なくなるよう配慮してあげてください。
特に、急激に食べるご飯の分量が減ったり、一日以上何も口にしない場合は、病気の可能性が大きいです。
早めにかかりつけの動物病院で診てもらうようにしましょう。
にゃんこ専用の食器を用意する
人が使う食器と共用していると、器を介して猫ちゃんの体内にいた寄生虫が人に感染してしまうので、猫ちゃん専用の食器を用意してください。
猫ちゃんはきれい好きなので、食器はトイレから離れた場所に置くようにしましょう。
また、食べ残しもなく、一見食器がきれいに見える場合でも、雑菌がついていることがあるので、ご飯を入れ替える度に毎回きちんと洗うことを忘れないようにしましょう。
ご飯だけでなく「水」も大事
ご飯だけでなく、水も猫ちゃんの健康のためには欠かせません。
猫ちゃんの1日の飲水量に明確な基準はありませんが、体重1kgあたり約50ml以上飲むようなら異常です。水の飲み過ぎは腎臓病などの病気の兆しでもあります。一方で、あまりに飲まなさすぎても膀胱炎や尿結石などの原因になります。日頃から猫ちゃんの飲水量にも目を配っておくことが大事です。
また、猫ちゃんに与える水は水道水でもミネラルウォーターでもOKです。ミネラルウォーターの場合は、硬水だと尿路結石ができるリスクがあるので、国産の軟水がオススメです。
猫ちゃんは新鮮な水を好むので、水が減ったら器を毎回洗って、新しい水に取り替えます。
猫ちゃんによって水の好みはそれぞれなので、水温や出し方などいろいろと試して好みを見つけてみるのもいいですね。
にゃんこのご飯を手作りする際の注意点
かわいさのあまり、猫ちゃんのご飯を手作りしたいと思ってしまう飼い主さんも少なくないはずです。
猫ちゃんのご飯を手作りするうえで知っておくべきことを紹介します。
そもそもにゃんこのご飯は手作りできる?
猫ちゃんのご飯を手作りすること自体は可能です。
手作りのご飯には、新鮮な食材を使えることや、添加物や防腐剤などの余計なものが含まれていないというメリットがありますが、相当猫ちゃんの栄養学に精通していない限り、おすすめすることはできません。
必要な栄養素を過不足なく摂取することが難しいだけでなく、猫ちゃんにとって危険な食材を使ってしまう恐れがあるからです。
食材によっては死に至るケースもあります。また、保存がきかないので、手間がかかるというデメリットもあります。
ちょっとでも手作りしてあげたいという気持ちがあるなら、味付けなしの茹でた鶏のささみを市販のキャットフードにちょい足しするくらいの手軽なものがいいと思います。
ご飯としてあげてもいい食材
猫ちゃんは陸上で生きる肉食動物です。
その生態から、猫ちゃんに最適な食材は、基本的に陸上で生活する動物の肉類と覚えておくといいでしょう。
ただし、生肉は寄生虫や細菌がいる可能性があるので、必ず火を通してください。
魚は白身魚や赤身魚を少量であれば食べさせてあげてもOKですが、生よりも加熱している方がいいです。
また、野菜や果物は積極的にあげる必要はありません。
おねだりしてきたら、コミュニケーションの一環として、少しだけ分けてあげる程度にしておきましょう。
肉類
- 鶏のささみ
- 鶏のむね肉
- 牛肉
- 豚肉
魚類
- ヒラメ
- タイ
ご飯に適さない食材
人にとっては無害で栄養価が高くても、猫ちゃんが食べると中毒症状や病気になってしまう食材があります。
意外かもしれませんが、チョコレートや玉ねぎなどネギ類は危険度大です。
イワシやアジなどの青魚もたくさん食べすぎると黄色脂肪症になるので要注意です。