にゃんこの寒さ対策
今年もそろそろ本格的な冬の季節がやってきます。 飼い主さん自身、お布団から出るのもつらくなる時期ですが、猫ちゃんの様子はどうでしょうか。寒がったり、体調が悪くなったりする様子はありませんか。 寒がりな猫ちゃんと快適に過ごすための「寒さ対策」について紹介します。
にゃんこは寒がり?
猫の祖先は、アフリカを出身とするリビア猫です。そのため、基本的に猫ちゃんは寒さに弱く、暖かい場所を好みます(ペルシャやヒマラヤンなど、一部寒冷地で生まれた猫ちゃんは、例外的に寒さに強い場合もあります)。
特に短毛種の猫ちゃんや、体脂肪が少ない痩せ型の猫ちゃん、まだ体ができあがっていない子猫、身体能力が衰えつつあるシニア猫ちゃんは、寒さを感じやすいです。
にゃんこの快適な温度と湿度
種類や月齢によって多少の差はあるものの、猫ちゃんが快適に過ごせる温度は約18~26℃と言われています。寒がりなシニア猫ちゃんの適温は、それよりもやや高めになります。
また、猫ちゃんも乾燥により変調をきたすことがあるため、湿度は常に50~60%ぐらいをキープするのが理想です。
猫ちゃんにとっての適温や適切な湿度は、人間である私たちとあまり変わらないですね。
寒さ対策を始める時期
猫ちゃんにとっての適温は人間とほとんど同じなので、私たちが「ちょっと寒くなったかな?」と感じる頃が、猫ちゃんの寒さ対策を始める時期です。
ちなみに、猫ちゃんが体を丸めて動かなくなったり、毛を逆立てて体を大きく膨らませたりする様子が見られることがあります。このしぐさは猫ちゃんによる「寒い!」のサインです。
本格的な冬に突入する前に、暖かく過ごすための用意を始めましょう。
寒さ対策に便利なグッズ
キャットハウス
寒いとき、猫ちゃんが中に入れる四角やドーム型のおうちです。
色や形だけでなく、プラスチックや布、木、稲わらなど、素材もさまざまです。自室のインテリアに合わせたものを選ぶのも楽しいです。
あったかブランケット
キャットハウスの中や、寝床に敷いて使います。わざわざペット用のものを買わなくても、100均で売っているようなものでOKです。100均なら、へたったり汚れたりしても手軽に買い替えられるところが利点です。
ペット用のこたつやヒーター
猫ちゃんが低温やけどしないように、もともと温度が低めに設定されているグッズも販売されています(人間用のものも使えますが、猫ちゃんにとって熱すぎる場合があるため注意が必要です!)。
特に猫用のこたつは、一度使ったら病みつきになってしまうかもしれません・・・。
今すぐにでも実践できる寒さ対策
まず簡単にできる寒さ対策は、暖房設備を使った室温の調整です。
冬場は26℃前後を保つように設定しましょう。エアコンなどの熱風が直接、猫ちゃんに当たらないようにするためには、サーキュレーターを設置するのもいいです。
また、部屋の中でも窓際は冷気が溜まりやすい場所です。キャットハウスや寝床は、窓際からなるべく離れた場所に置いてあげましょう。
ゲージを使っている場合は、上から毛布をかけると中の保温性を高めることができます。
お留守番のときにおすすめな寒さ対策
猫ちゃんをお留守番させるときも、エアコンのスイッチはオンのままにしときます。
電気ストーブやペットヒーター、こたつなどの暖房器具は便利ですが、猫ちゃんのイタズラで思わぬ事故につながる可能性もあります。お留守番中はブランケットや湯たんぽのようなアナロググッズをうまく活用するといいでしょう。
また、冷気の通り道になるドアの隙間を埋めたり、窓に断熱効果のあるシートを貼ったりすることも有効です。
水飲み場やトイレを暖かい部屋へ移動する
寒さ対策をするときは、水飲み場やトイレの位置にも気を配りましょう。
猫ちゃんが「快適な部屋から動きたくない!寒いトイレには行きたくない!」となると、膀胱炎を引き起こす原因になります。
また、暖房器具を多用する冬は、乾燥にも注意が必要です。猫ちゃんが冷たい水を飲みたがらないときは、いつもよりもぬるめの水を用意してあげるといいでしょう。
寒さ対策の注意点
猫ちゃんの寒さ対策に暖房器具を使う方は多くいますが、火や電気、熱を利用するといった性質上、ちょっと注意が必要なこともあります。
寒さ対策と、猫ちゃんの安全対策は同時に行いましょう。
電気ストーブやヒーターによるやけどに注意
猫ちゃんがストーブやヒーターの上に乗るような光景を見ることがありますが、これはとっても危険です。暖房器具の側は高温になるため、接触によるやけどの心配があります。また、ストーブやヒーターに近づきすぎると、猫ちゃんの被毛が焦げてしまうこともあります。
ストーブガードやサークルを使って暖房器具の周辺を囲い、猫ちゃんが近づきすぎないようにしましょう。
湯たんぽやこたつの当たりすぎに注意
人間にとっても冬の定番グッズである、湯たんぽ。猫ちゃんの寒さ対策としても非常に便利なグッズですが、使用の際には低温やけどに注意する必要があります。使用の際は、布を巻くなどして、猫ちゃんの体に直接、湯たんぽを触れさせない工夫をしましょう。
こたつもまた、猫ちゃんを病みつきにしてしまうグッズです。
こたつを使用するときは、低温やけどに加えて、熱中症や脱水症状、酸欠にも注意が必要です。ときおりこたつの中を開けて換気するとともに、中を覗いて猫ちゃんの様子をチェックしましょう。
乾燥対策にも気を配る
猫ちゃんが快適に過ごせる湿度は50~60℃前後です。空気が乾燥すると、肉球や皮膚がカサついて荒れたり、ウイルス感染しやすくなったりしてしまいます。乾燥対策としては部屋の中で加湿器を使用するのが一番ですが、濡れタオルを吊るすことでも代用できます。
手作りできる寒さ対策グッズ
猫ちゃん専用のものを購入しなくても、実は猫ちゃんの寒さ対策グッズは身近にあるもので、手作りすることができます。
材料さえあれば簡単にできてしまうので、ぜひ一度作ってみてはいかがでしょうか。
段ボールで作るキャットハウス
<用意するもの>
- 猫ちゃんがすっぽり入るサイズの段ボール1つ
- ガムテープ
- ブランケット
- カッターまたはハサミ
<作り方>
- 組み立てた段ボールに猫ちゃんが出入りできるぐらいの穴を開ける
- 中にブランケットなどを敷いて完成!
- 出入口の周りをガムテープで補強すると長持ちする
ペットボトルで作る湯たんぽ
<用意するもの>
- 耐熱用のペットボトル(あったかいお茶が入っていたものなど)
- お湯
- 厚手の靴下や古布
<作り方>
- 耐熱用のペットボトルに40~50℃程度に温めたお湯を入れる
※これ以上の高温になると低温やけどの原因になる - しっかりペットボトルの蓋を締める(猫ちゃんがイタズラで開けられないぐらい)
- ペットボトルを靴下や古布で覆って完成!
着なくなったフリースやセーターで作るベッド
<用意するもの>
- 長袖フリースやセーター
- バスタオル
- 両面テープ
- ブランケット
<作り方>
- フリースやセーターの首元を両面テープで止める
- バスタオルを棒状にまとめ腕の部分に通す
- 片方の袖をもう片方の袖に入れて輪を作る
- 余った胴の部分を輪の内側に入れ込み形を整える
- 上からブランケットをかけて完成!